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大学職員の生成AI業務活用|教務・学生対応・事務の実例12件を「入力→出力→人の確認」で整理

大学の生成AI活用は、業務ごとに「入力するもの」「生成AIが出すもの」「人が確認すること」を分けて考えると、試せる範囲が見えてきます。本記事では、教務・学生対応・事務の領域で、この形に沿った実例を紹介します。

あわせて、個人情報を含む業務の考え方と、効果の確かめ方も短く触れます。なお、本記事の12件は、業務の進め方を整理するための例です。特定の大学の導入実績や効果を示すものではありません。

先に押さえたい前提

生成AIは、文章の下書き・要約・整理・分類を得意とします。一方で、事実の正確さや最終判断は人が担います。そのため、どの業務でも「人が確認すること」を先に決めておくことが大切です。

学内の個人情報や機微情報は、学外に持ち出さない前提で扱います。以下の実例は、個人が特定できない形に加工した文書や、公開済みの規程・案内文を入力する想定で書いています。利用ルールや入力情報の区分、確認体制の決め方は、本シリーズのNo.1の記事で整理していますので、そちらをご確認ください。

また、システムを入れる前に、業務を分解して標準化し、データが残る状態をつくることが先決です。業務の流れが整理されていないと、生成AIを使っても効果が測れません。

教務の実例(No.1〜4)

シラバス点検、履修案内、授業評価の自由記述、議事録整理。

No.1 シラバスの記載漏れ・表記ゆれの点検

  1. 入力するもの:提出済みシラバスの本文(授業計画、成績評価方法の欄)
  2. 生成AIが出すもの:必須項目の抜け、表記ゆれ、評価方法と到達目標のずれの候補一覧
  3. 人が確認すること:指摘が実際に修正対象か。内容の最終判断は教務担当と教員が行います。

No.2 履修案内・学事日程の文案づくり

  1. 入力するもの:前年度の案内文と、今年度の変更点メモ
  2. 生成AIが出すもの:変更点を反映した案内文のたたき台
  3. 人が確認すること:日付・要件・条文番号など、数値や固有の情報の正誤

No.3 授業評価アンケートの自由記述の整理

  1. 入力するもの:個人が特定できないよう加工した自由記述
  2. 生成AIが出すもの:テーマ別の分類と要約
  3. 人が確認すること:分類の妥当性、少数意見の取りこぼし、元の記述との照合

No.4 会議資料・議事録の要点整理

  1. 入力するもの:委員会の議事メモ(学内の閉じた環境で扱えるもの)
  2. 生成AIが出すもの:決定事項・宿題事項・担当の一覧案
  3. 人が確認すること:発言の趣旨が正しいか、決定事項に漏れがないか

学生対応の実例(No.5〜8)

FAQ整備、返信案、お知らせの書き換え、問い合わせ傾向の分析。

No.5 よくある質問(FAQ)の整備

  1. 入力するもの:窓口に寄せられた問い合わせの種類と、公開済みの規程・案内
  2. 生成AIが出すもの:質問と回答の案、似た質問のまとまり
  3. 人が確認すること:回答が規程と一致するか。更新時期の管理も人が決めます。

No.6 窓口対応メールの返信案

  1. 入力するもの:個人情報を除いた問い合わせ内容の要旨
  2. 生成AIが出すもの:丁寧な文体の返信案
  3. 人が確認すること:個別事情に合うか、約束してはいけない内容を含んでいないか

No.7 学生向けお知らせの読みやすい書き換え

  1. 入力するもの:既存の通知文
  2. 生成AIが出すもの:短く平易にした文面、箇条書き版、必要に応じた英語版
  3. 人が確認すること:期限・手続き・条件が変わっていないか

No.8 問い合わせ傾向の分析メモ

  1. 入力するもの:問い合わせ種別と件数の集計表(個人が特定できない形)
  2. 生成AIが出すもの:時期ごとの傾向の読み取り案、案内を先出しすべき事項の候補
  3. 人が確認すること:集計元のデータが正しいか、解釈が現場の実感と合うか

事務の実例(No.9〜12)

文書下書き、規程比較、手順標準化、報告書の文章化。

No.9 学内文書の下書き

  1. 入力するもの:目的、宛先、盛り込む要点
  2. 生成AIが出すもの:通知文・依頼文の下書き
  3. 人が確認すること:学内の書式・敬称・決裁ルールとの整合

No.10 規程・マニュアルの比較と要約

  1. 入力するもの:改正前後の規程、既存のマニュアル
  2. 生成AIが出すもの:変更点の一覧、手順の要約
  3. 人が確認すること:条文との照合。法的な解釈は所管部署が確認します。

No.11 業務手順の棚卸しと標準化の下書き

  1. 入力するもの:担当者が書き出した業務メモ、作業の順番
  2. 生成AIが出すもの:手順書の構成案、抜けやすい確認点の候補
  3. 人が確認すること:実際の運用と合っているか。複数部署で突き合わせます。

No.12 集計・報告書の文章化

  1. 入力するもの:集計済みの表(個人が特定できない形)
  2. 生成AIが出すもの:表の読み取りを文章にした下書き
  3. 人が確認すること:数値の転記ミス、因果の言い過ぎがないか

個人情報を含む業務はどう扱うか

学生の成績・相談内容・健康情報などは、外部のクラウドAIにそのまま入れる使い方は前提にしません。まず、個人情報を含まない形に加工できる業務から試します。個人情報を含む業務は、学内の閉じた環境で扱えるか、そもそも対象にするかを、情報システム部門と協議して決めます。具体的な区分は、No.1の記事をご覧ください。

自部署で試す進め方(さわり)

  1. 1つの業務を選び、いまの手順と所要時間を書き出します。
  2. 入力するものを、個人情報を含まない形に決めます。
  3. 出力に対して、誰が何を確認するかを決めます。
  4. 小さく試し、修正にかかった時間と手戻りの回数を記録します。
  5. 記録をもとに、続けるか、手順を直すかを部署で話し合います。

効果はどう確かめるか

導入前後で、同じ業務の「作業時間」「修正回数」「確認でみつかった誤り」を同じ方法で記録します。感覚ではなく、記録が残る状態をつくることが先です。記録が部署ごとに分断されていると比べられないため、記入欄は共通にします。うまくいかなかった試行も残しておくと、次の判断に役立ちます。

まとめ

生成AIは、入力・出力・人の確認を決めた業務から試すのが現実的です。業務の分解と標準化が進むほど、効果も測りやすくなります。ご不明な点やお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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