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学修成果データを可視化する方法|DPと評価データの対応表で進める指標設計の3ステップ

学修成果の可視化は、ディプロマ・ポリシー(DP)を到達目標に分け、各目標に評価データを対応づけるところから始まります。本記事では、学修成果の可視化を学修成果MOEで支援しているハーモニープラスが、指標設計の手順と、集めたデータを教育改善に使える形に整える方法を解説します。

この記事の要点

  • 学修成果の可視化は、システム導入より先に「DP→到達目標→評価データ」の対応表を作ることから始めます。
  • 測るものと残すものを、DPの到達目標ごとに決めます。
  • 方針・測定・結果・改善の流れで整理しておくと、学内の教育改善の議論に使え、認証評価で学修成果を説明する際にも役立ちます。

学修成果とは何を指すか

学修成果とは、学生が教育課程を通じて身に付けた知識・能力・態度を指します。本記事では「DPに掲げた資質・能力について、学生が到達した状況を示す情報」として扱います。

授業の成績だけが学修成果ではありません。成果物への評価、学外試験のスコア、学生本人の振り返りなども、DPとの対応が説明できれば根拠になります。

可視化の方法は3つに整理できる

私学高等教育研究所の解説では、学修成果を示す方法は「標準化された外部テスト」「ルーブリックなどによるパフォーマンス評価」「学修行動調査」の3つに大別され、ルーブリックは大学、学科・科目、学生という段階ごとに導入が広がっているとされています(私学高等教育研究所「学修成果をどのように可視化していくのか」)。

本記事の対応表では、評価データを「直接評価(成績、成果物のルーブリック評価、外部テスト)」と「間接評価(学修行動調査、学生の自己評価)」に分けて考えます。どちらか一方に寄せるのではなく、到達目標ごとに組み合わせると、認証評価での説明がしやすくなります。

DP達成度の指標設計:3つのステップ

自大学で試せる手順を、短くまとめます。

ステップ1:DPを到達目標に分ける

DPの一文には、複数の資質・能力が含まれていることが多くあります。「知識・理解」「思考・判断」「主体性」など、観察できる単位に分けます。

ステップ2:到達目標ごとに評価データを決める

各到達目標に、すでに手元にあるデータから対応づけます。新しく測る前に、現在あるデータで足りない部分を洗い出すのが現実的です。

ステップ3:基準と残し方を決める

どの水準を「到達」とみなすか、どの粒度で、どの部署が、どの形式で保管するかを決めます。ルーブリックを使う場合は、評価の観点と水準を学内で揃えます。

対応表の例:DP→到達目標→評価データ

DP(例) 到達目標(例) 評価データ(例) 主な保管元
専門的な知識・理解 専門分野の基本概念を説明できる 必修科目の成績、試験結果(直接評価) 教務システム
課題発見・解決力 課題を設定し、根拠をもって論じられる 卒業研究・レポートのルーブリック評価(直接評価) 授業・ゼミの評価記録
主体性・協働性 他者と協力して活動に取り組める 活動記録、学生本人の振り返り(間接評価) 学生支援・キャリア関連部署
汎用的能力 基礎的な能力を段階的に高められる 学内外のアセスメント結果(実施している場合)(直接・間接評価) IR・教学部門

上記は設計のイメージ例です。実際の項目は、各大学のDPに合わせて決めてください。

教育改善と外部への説明に使える形に整える

同じデータでも「説明の流れ」に沿って並べると、学内の教学の議論でも、認証評価などの外部への説明でも使いやすくなります。次のような整理表をつくっておく方法があります。

整理の観点 残しておく内容 確認したいポイント
方針 DP、到達目標、対応表 最新版と改訂履歴が残っているか
測定 評価方法、基準、実施時期 誰がいつ測るかが決まっているか
結果 学年・学部別などの集計結果 DPの到達目標と結果が対応しているか
改善 検討の議事、改善内容、実施後の確認 結果が改善に結びついた経過を示せるか

データはどこから集めるか

多くの場合、データは教務、学生支援、キャリア、IR、各学部など複数の部署に分かれて保管されています。まず「どのデータが、どこに、どの形式であるか」を一覧にします。

  • 成績・単位修得状況:学務システム(教務システムとの範囲の違いは学務システムとは?を参照)
  • 成果物の評価:授業担当者の評価記録
  • 活動・振り返り:学生支援やキャリア関連の記録

学内の個人情報や機微情報は、学外に持ち出さない前提で扱います。外部のクラウドサービスへ安易に投入せず、学内の情報管理の規程に沿って集計・保管してください。部署に散らばったエビデンスデータを一覧にする手順は、自己点検・評価報告書の作成をラクにする——エビデンスデータの集め方で詳しく扱っています。

参考:教学マネジメント指針と認証評価との関係

本記事は学修成果の可視化そのものを扱いますが、参考として外部評価との関係にも触れておきます。認証評価機関のひとつである公益財団法人大学基準協会は、機関別認証評価の概要で、大学が内部質保証システムを有効に機能させていること、とりわけ学生が学習成果を達成できるよう取り組んでいることを重視すると述べています。

同ページによると、評価の基礎には各大学の自己点検・評価があり、現状把握・分析に基づいて長所や問題点を捉え、改善策を自ら導き出すことが重視されます。また、機関別認証評価は通常7年周期で実施されると記載されています。

文部科学省の教学マネジメント指針(2020年1月、中央教育審議会大学分科会)も、学修成果・教育成果の把握と可視化を柱の一つとし、複数の情報を組み合わせた多元的な把握を求めています。同時に、すべての学修成果を把握・可視化することは難しいという限界にも触れています。

学修成果のデータは「集めて終わり」ではなく、現状把握と改善の根拠として使える形で残しておくと、こうした外部への説明にもそのまま使えます。評価基準の詳細は、受審予定の評価機関の最新資料でご確認ください。学修成果の測定を回す側の仕組み(委員会体制・PDCA・データ整備)については、内部質保証システムの構築ポイントで整理しています。

現場が多忙でも進めるための考え方

ハーモニープラスが2021年に全国の四年制大学教職員1,022人に行った調査では、教学マネジメントの確立に学修成果の可視化が必須と答えた人が79.3%いる一方、課題として「学修成果指標が評価方法として正しいか不明」が38.2%で最も多くなりました(2021年調査の発表)。2023年の調査でも「学修成果の活用法」41.3%、「可視化した学修成果の体系化」40.3%が上位です(2023年調査の発表)。指標の正しさを最初に決め切ろうとするより、対応表を作って運用しながら見直す方が現実的です。

最初から全学・全DPで進める必要はありません。一学部・一DPなど範囲を絞って対応表をつくり、足りないデータを確認する進め方が現実的です。

システムの選定は、その後で構いません。業務を分解して標準化し、データが残る状態をつくってから、必要な仕組みを検討します。

ハーモニープラスの支援事例

学修成果MOEを使って可視化に取り組んでいる大学の事例を公開しています。DPと評価データの対応づけを、どう運用に載せたかの参考になります。

  • 15学部のディプロマ・ポリシーを軸に学修成果MOEを導入し、感覚に頼っていた教学の議論を共通データに基づく議論に変えた取り組み:法政大学の事例
  • 14学部・50以上の専攻を持つ大規模大学で、全学統一のデータ基盤を整えつつ学部ごとの独自性も残した運用設計:東洋大学の事例
  • 成績データだけでは見えない学生の成長を振り返りで可視化し、ポートフォリオを通じた学生支援につなげた取り組み:大同大学の事例
  • 学修成果可視化システム「ITER」(学修成果MOEを活用)を、面談・授業・学科会議から小さく始める形で教職員に広げた取り組み:南山大学の事例

まとめ

学修成果の可視化は、DP→到達目標→評価データの対応づけから始まります。そのうえで、方針・測定・結果・改善の流れで整理すれば、認証評価で説明しやすいエビデンスになります。

ハーモニープラスの学修成果MOEは、DPと評価データの対応づけ、学生の振り返り、集計までを一つの基盤で支える学修分析プラットフォームです。対応表を作る段階から、データの集め方や運用の設計まで一緒に進められます。進め方に迷う段階でも、お気軽にご相談ください。

学修成果MOE・学修成果の可視化に関するお問い合わせはこちら

参考文献

会社概要

会社名  : ハーモニープラス株式会社

設立   : 2010年1月

代表取締役: 降旗 真寿幸

所在地  : 東京都千代田区二番町7番地5 二番町平和ビル

事業内容 : EdTechソリューション事業、BPaaS事業

URL   : https://www.harmony-plus.co.jp/

本件に関するお問い合わせ

ハーモニープラス株式会社 営業統括部門 マーケティングチーム

問い合わせフォーム:https://www.harmony-plus.co.jp/contact/

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