“サービスを止めない図書館運営”を支えるICT運用とは ― 獨協大学図書館の運用支援とDX
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情報支援
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属人化・ノウハウ継承
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制度の複雑化と専門性
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業務効率化
獨協大学
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導入したサービス
- 情報システム業務支援サービス
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導入時期
2019年
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概要
◆導入当時の課題
電子化やシステム連携の拡大により図書館ICT運用が複雑化。担当者ごとの運用や人事異動による属人化が進み、全体を横断して管理・継承する体制づくりが課題となっていた。
◆導入の決め手
単なるシステム保守ではなく、図書館運営や大学特有の業務を理解したうえで、運用全体を支えるパートナーとして伴走できる支援体制に安心感を持った。
◆導入後の取り組み
図書館ICT運用の相談窓口を一本化するとともに、マニュアル整備や運用ノウハウの蓄積を推進。属人化しやすい業務を整理し、安定運用を支える体制を構築した。
◆導入後の変化
「誰に聞けばよいか」が明確になり、現場の安心感が向上。運用課題の早期発見や情報共有が進み、“サービスを止めない図書館運営”を支える安定したICT運用につながっている。
interview
MEMBER
参加者
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図書館長
山本 淳 様
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図書館事務課
課長
小暮 昌敏 様
図書館ICT運用の複雑化に、どのような課題を感じていましたか?
山本様:
図書館というのは、“成長する有機体”だと考えています。時代に合わせて役割がどんどん変わっていきますし、それに伴ってシステムも増えていきます。
昔は図書館システム単体で成立していた部分も多かったのですが、今は貸出や入退館、自動書庫による蔵書管理といったシステムはもちろんのこと、電子ジャーナル・電子ブック・データベースなどのオンライン情報資源、ディスカバリーサービス、シングルサインオンによる認証など、さまざまなシステムが連携して動いています。特に電子化が進んでからは、ネットワークも含めて全体を見ながら運用しないといけなくなっています。
そうなると、従来の図書館業務だけでは対応しきれない部分が増えてきます。図書館の知識だけでも難しいですし、逆にICTだけ分かっていても難しい。両方の理解が必要になってきている感覚はありました。
小暮様:
業務やシステムごとに担当はいますが、全体を横断して見るのが難しくなってきました。
例えば、何かトラブルが起きたときに、「これはどこの問題なのだろう」とか、「どこに確認すればいいのだろう」ということが起きやすくなっていました。システムが増えれば増えるほど、その傾向は強くなっていたと思います。
以前の体制でも運用自体はできていましたが、今後を考えると、従来のやり方では困難だと感じていました。
外部委託を検討された背景を教えてください。
山本様:
大学の中にも専門性を持った職員はいます。ただ、日本の大学はどうしても人事異動がありますので、専門知識を継続的に維持するのが難しいと感じています。
特に図書館の場合、“図書館情報学とICTの両方”を理解している必要があります。でも、その両方を持っている人材を内部だけで育成・維持し続けるのは、現実的にはかなり難しい部分があります。
一人に依存してしまうと、その人が異動した時に困ってしまいますし、継続性という意味でも課題がありました。
小暮様:
実際に、担当変更のたびに引き継ぎで苦労することがありました。
システムは、導入や改修の経緯を知っている人でないと把握しきれていないことが多くあり、運用が長くなるほど属人的になりやすいので、どのように継承していくかという点についてはずっと課題を抱えていました。
山本様:
だからこそ、単なる保守というより、“システム運用全体を支えてくれる存在”が必要でした。
何かあった時に相談できるとか、バックアップ体制があるとか、“安心して運用できる”というのはかなり大きかったですね。
支援先を選定する際、重視されたことを教えてください。
山本様:
単純にシステム会社を選ぶという感覚ではなかったです。
もちろん技術的な知識や対応力も重要ですが、それ以上に、“大学のことや図書館運営を理解したうえで話ができるか”という点はかなり重視していました。
図書館は、単にシステムを動かせばいいわけではなくて、利用者対応や業務運用、学内調整も含めて成り立っています。ですので、単なる保守ではなく、“図書館運営を支えるパートナー”として関われるかどうかは、重要なポイントだったと思います。
小暮様:
ハーモニープラス様はすでに学内の他部署で実績がありましたので、スムーズに導入できたという印象があります。
図書館特有の運用や、大学内での調整事情も理解したうえで相談できたので、一から全部説明しないといけないという感覚はあまりなかったです。
こちらが困っていることに対しても、単に「システム的にはこうです」ではなく、運用としてどう整理した方がいいかまで含めて一緒に考えてもらえていると感じます。
導入後、現場ではどのような変化がありましたか?
小暮様:
一番大きな変化は、誰に聞けばよいか、窓口が明確になったことですね。
以前は、内容によって確認先が変わったり、「これは誰が持っている話なのだろう」と判断に困ったりすることもありました。でも今は、まず相談できる窓口があるので、図書館のスタッフの安心感が増したように感じます。
単純な問い合わせ対応だけではなくて、「これはここと関係していそうですね」と橋渡ししてもらえることも多いので、システム運用の要になっています。
山本様:
大学の中だけでは、どうしても業務ごとに担当が分かれてしまいます。
その中で、横断的に見ながら整理してくれる存在がいるのは大きいと思います。結果的に、図書館全体として安定運用につながっている実感があります。
小暮様:
トラブル対応のノウハウも集約されるようになりました。「前にこういうことがありましたよね」という話が共有されやすくなったので、潜在的な課題にも気づきやすくなったと思います。
運用支援の中で、特に印象に残っていることはありますか?
小暮様:
運用支援の開始当初から、マニュアルを整備していただいたことは印象に残っています。
以前は、分かる人しか分からない状態になっていた部分もありました。特に人事異動があると、どこまで引き継げているか、潜在的な問題がないか判断できないことがありました。
そこを、非専門職でも分かるように丁寧に整理してもらえたので、かなり助かりました。担当が変わっても、一定レベルで運用を継続しやすくなったと思います。
あと、個人的には“相談しやすさ”も大きなポイントですね。
システムを運用していると、誰が対応すべきか分からない問題が結構あるのですが、普段からコミュニケーションが取れていると、「とりあえず聞いてみよう」という意識ができました。
困りごとを率直に出しやすい空気を作ってもらえたのは、かなりありがたかったです。
山本様:
システムも、やはり人と人とのコミュニケーションで動いている部分があると思います。
単に知識があるだけではなくて、現場ときちんとコミュニケーションを取りながら進められることも重要なのではないでしょうか。
大学図書館におけるICT運用で、大切だと感じることを教えてください。
小暮様:
“使いたいときにきちんとサービスが稼働していること”、“トラブルがなく静かに動いている”ことこそが、高品質なことだと思っています。
本学の図書館は、学生や教職員はもちろん、オープンカレッジ受講生、卒業生、地域の方たちなど多くの方にご利用いただいています。そういった方たちが利用したいと思ったときに、システムの不具合や停止にあたってしまうと、学習や研究の機会が失われてしまうことにもつながりかねません。
ですから、当たり前に使える状態を維持することが重要なのだと感じています。
山本様:
今の大学図書館では、ICTが単なる補助ではなくて、運営基盤そのものになっていると思います。
利用者から見れば、普通に使えるのが当たり前です。でも、その当たり前を維持するためには、裏側で多くの調整が必要ですし、つねに安定的な運用が求められます。
小暮様:
止まらないこと、静かに動いていること、その価値は図書館を運営する立場として切実に感じています。
今後の展望について教えてください。
小暮様:
「2030デジタル・ライブラリー」という方針があります。これには、オープンサイエンス時代にふさわしい大学図書館のあり方として、コンテンツのデジタル化やオンラインツール・AIなどの活用、専門的な人材の配置、サービス提供体制の見直しなどの取り組むべき課題が示されており、各大学図書館ともその実現に向けて動き出しています。
もちろん、リアルな学習の場としての魅力をどう高めるかという側面にも取り組まなければなりませんが、いずれにせよ、デジタル上・ネットワーク上でどのように図書館サービスを展開していくか、つまり図書館機能のDX化は最重要の課題です。
本学図書館ではその一つとして、図書館所蔵の特別コレクションのデジタルアーカイブ化を進め、教育・研究支援の充実とともに大学としての価値発信にも取り組んでいるところです。
山本様:
一方で、“来たくなる図書館”としての価値も残っていくと考えています。
デジタル化が進んでも、リアルな空間としての図書館の魅力はなくならない。むしろ、これからは図書館が、充実した資料はもちろんのこと、どういう「体験」を提供できるかも重要になってくると思います。そういった使いやすく、魅力的な空間を構築するにあたっても、システム的な側面で、さまざまなアイデアが求められてくるでしょう。
小暮様:
安定的にシステムを稼働させるという体制ができましたので、今後ハーモニープラス様には、「こういうツールがありますよ」とか、「こういう連携ができますよ」みたいな提案をいただけることも期待しています。
単なる保守だけではなく、一緒に図書館DXを考えていける存在になってもらえるとありがたいです。
山本様:
図書館の役割が変わり続ける以上、ICT運用も一緒に進化していく必要があります。今後も、安定運用を土台にしながら、新しい図書館のあり方を模索していきたいですね。
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